看板屋のすべて

〜第4話『看板屋の花形!!』〜


次に紹介するセクションは、我がセクション”仕上”である。

”仕上”・・・。
そう、様々なセクションを巡ってきた看板に様々な仕上げを施すセクションである。

例えば、夜間でも車のライトに反射して看板が見えるようにしたり、
車やトラックに粘着シートで文字を貼ったり、
実際に平面で貼ってあるのに、見ると立体に浮き出てるように感じる広告用看板を作ったり、
みなさんも良く見かける、道路に設置してあるでっかい『案内看板』。
これを製作するのも、このセクションだ!
そして、時には人の心にポッカリ空いた、悲しい風穴も埋めるのも、このセクションの仕事だ。

と、とてもここだけだは語り尽くせない様々な作業をするのが、我がセクション”仕上”である。

我が看板屋の中で一番高価な物を扱っているのも、このセクションであろう・・・。


どれ程高価な品物があるか?


代表的な品物で、先ほど説明した反射するシート・・・。
このシート一本で、なんと車一台買えてしまうくらいである。

そしてこのセクションを担当するのは、4人。

まずは、新人でありながらも、力強い口調と根性で黙々と作業する女性C。
コードネームは『仕上の女王』。

次に、主に道路標識を専門分野にしている女性M。
このMさんの手にかかれば、どんな標識も花と化す・・・。
そんな伝説を欲しいままにしている・・・。
コードネームは『仕上の母』。

そして先日紹介したムロヤン。
入社一年だが、恵まれた長身と、類いまれな長身、
そして、洗礼された長身に、貪欲なまでの長身を生かし作業する男である。
コードネームは『ムロヤン』。


そして、このセクションを任されている人物こそ、この私・・・。
そう、タケオ(仮名)である。

コードネームは『仕上の貴公子』。
まさに私にふさわしいネーミングだろう・・・。

しかし、高価な品物、数多き作業で私は毎日精神をすり減らし、
胃の痛い毎日であるのは、事実である・・・。