闘病生活  第五章

みな皆様、お久しぶりです!私、タケオ(仮名)が新たに新作を書き上げました!
それはもう大変でした・・・。


我が師ハマオさんが、入院中に若い看護婦の携帯番号を聞いたらしく、
それを会社のみんなに自慢していた。


私はそんなハマオさんを見て、こう思った・・・。


(もういい年なんだから・・・。)


しかし、先輩を立てる事を心得ている私は、そんな事は決して口にはしなかった!
会社内で、”後輩の鏡”とまで言われている私だからこそ可能に違いない・・・。


そんな我が師を鼻で笑いながら、私は私で、毎日新作の事を考え、
夜も眠れず、朝も起きれずの毎日でした・・・。
そしてついに、この新作を血を吐きながら何とか完成いたしました!

すでに私の事なんか忘れてしまった方もいらっしゃると思いますので、
ここでもう一度思い出して下さい。

私の名は、タケオ(仮名)!タケオ(仮名)!タケオ(仮名)でございます!

皆様の熱き声援にお答えすべく、私タケオ(仮名)が頑張りますので、
どうぞタケオ(仮名)をよろしくお願いいたします!


あっ!今、手を振って頂いた方、ありがとうございます。

では、ごゆるりとご覧下さい。


(前回までのあらすじ)
ドクターに”異常は無いと思います”と言われ安心しきっていた私に、
”エコー検査”でとんでもない事実を知る事になってしまう!

前回の検査から数日後、私は再び病院に来た・・・。
そう・・・。
今日は、”エコー検査”とやらを受けに来たのだ・・・。

受付に診察の事を話すと、受付の人は検査をする部屋の場所を教えてくれた。

相変わらず笑顔だ・・・。

私は心の中で、静かにつぶやいた・・・。

(いつまでも笑っていられると思うなよ・・・。
その笑顔、”仏の魂”を持つ私だからこそ許されるのだぞ・・・。)

そして私は受付の人に深々と頭を下げ、指示された部屋に入った。

部屋の中に一人の男がいた・・・。


そう!部屋の中にいた人物・・・。
まさに、私に”エコー”をして頂けるドクターだった!

「調子はどうですか?」


ドクターは不安で震える私に優しく、
その笑顔はまるで、空から輝きながら舞い降りてきた、
一人の悪魔のようだった・・・。

「な、何ともありません・・・。大丈夫でございます・・・。」
私はその笑顔に焦り、変な言葉を発していた。

そんな私を尻目に、ドクターが口を開いた・・・。

「服を脱いで、そこに寝てください。」

(な、何だって!!服を脱げだと!失敬な!!私は男に興味はない!!
一体、どれだけ私を不愉快にさせれば気が済むのだ!ふざけるな!!)

私はついに不安が怒りに変わり、爆発してしまい、ついには
ドクターの言葉に素直に上着を脱いで診察台に横になった。

「じゃー始めますね〜。ちょっと冷たいですけど、我慢して下さいね〜。」

そう言ってドクターはペンみたいな形の診察する物に、何やら変な液体を付け、
私の体に押し当てた。

(つ、冷たいではないか!あんたは私の体に何をする気なのだ!この無礼者め!)

そう思ったが、やはり私の中の”神の心”が、それを押さえたのだった・・・。

ドクターはペンによく似た物で、念入りに私の心臓を調べた。

診察に入ってから、一体どれだけの時間が過ぎたのだろう・・・?


しばらく一言も口を開かないドクターに、しびれをきらした私は問い掛けてみた。


「やっぱりどこかおかしいんですか?雑音はするんですか?私は変態なんですか?」と。

私の質問にドクターは、ゆっくりと口を開いた。
ドクターの顔には、先ほどの笑顔は消えうせていた・・・。

「すみません。少しお待ち下さい。もう少し詳しいドクターを呼びますので・・・。」

(ん?一体何が起こっているのだ?やはり異常があるのか?)
私は押さえきれない不安に体が緊張した。
緊張を緩めると、ちびってしまいそうなくらいだった・・・。

しばらくして、私の元に新しいドクターが来た。
新しいドクターは横たわる私に、再びエコー検査を始めた。

そして数分後・・・。
静かに私を診察していた新しいドクターが、かたくなに口を開いた・・・。

「間違いありません・・・。あなたの心臓から雑音がしますし、異常があります・・・。」



(Oh!My!God!!何てこったい!私は変態ではないか!!)



心臓の異常を訴えられ、落ち込み、泣き叫び、そして、ついには踊り出した私に、
ドクターが続けて口を開いた。


「タケオ(仮名)さん。もっと詳しく検査をしたいので、検査入院をして下さい!」


診察台の上で、落ち込みながらダンスを踊っていた私に、クロスカウンターが直撃した!



(Oh!My!Get!!何てこったい!私は入院ではないか!!)



あまりにも突然の出来事にガタガタ震えだし、私のダンスも最高潮に達し、
ついには手拍子までしてしまう有り様だった!


しかし、人間というものは、自分に都合良いように考える生き物なのだ。
”人に優しく自分に厳しく”を小さい頃から生きがいにしている私でも同じだった・・・。


まだ心の中に、”何かの間違いだ”と言う思いが強かったからだ。



しかし、その思いも、次の検査入院で、絶望的になってしまうのだった・・・。


そう、それは私の命にかかわる程の・・・。      つづく